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副鼻腔炎(ちくのう症)鼻茸・鼻中隔湾曲症アレルギー性鼻炎

 

副鼻腔炎(ちくのう症)

副鼻腔の説明図副鼻腔とは顔の骨にある洞くつを言います。鼻と副鼻空は粘膜でつながっていて正常では空気が入っています。副鼻腔炎はかぜや鼻炎の悪化で炎症が奥にある副鼻腔の粘膜まで及んで起こります。まれに虫歯や歯肉炎からも起こることがあります。

顔のレントゲンを取ると容易に診断できます。急性のものでは1〜2週間から1ヶ月程で治ります。しかし急性の副鼻腔炎を繰り返したり途中で治療を中断すると慢性へと移行する事もあります。

<症状>

一番多い症状は鼻づまりと鼻水です。炎症によって粘調で膿性(黄色〜緑色)の鼻水がでることが急性では多く見られます。また後鼻漏といって鼻水が喉に流れて痰のように感じてしまうこともあります。頭痛がしたり、味覚・嗅覚がなくなることもあります。

子供の場合には鼻づまりのために口呼吸がおおくなり集中力にかけ情緒不安定でイライラしやすいといった症状も出てきます。いびきや中耳炎を合併することもあります。

左副鼻腔と正常なレントゲン図
クリックすると解説つきの大きい写真を見る事ができます

<治療>

多くは内服や吸入療法で治療します。マクロライド系抗菌薬が有効と言われており、少量を長期に投与することで炎症を抑えたり、免疫機能を向上させたり、鼻水の分泌を抑える効果があります。頭痛や頬の痛みが強い場合には、上顎洞洗浄療法といって鼻の中から上顎洞に針を刺して膿を洗い流す処置が有効です。

慢性の場合には鼻茸や鼻中隔湾曲症を伴っていることがあります。その程度次第では、手術療法が選択される場合があります。手術と言っても現在では以前と異なり、内視鏡を用いて鼻の中だけを操作する肉体的負担を最小限にした手術が主流です。

ただ手術後に再発する例もあるため、術後の継続的な治療が重要なポイントとも言えます。お薬の服用だけでなく、鼻洗浄を日常的に行うことも有効です。手術後の再発を防ぐとも言われています。

 

★最近の子供の蓄膿症(小児副鼻腔炎)について

蓄膿症といえばかぜの延長線上にあります。小児科や内科で早めに風邪の治療を開始することが多い現在では、蓄膿症自体も軽症で早めに治る方が多くなってはいますが、その数は減っているとは言えず、くり返す例や治り難い例も多いと言われています。その原因として、特に子供においてはアレルギー性疾患の増加と関連があると言えます。

当院は乳幼児の受診が多く、初診患者の3分の1は6歳以下の乳幼児です。乳幼児の耳鼻科的処置は頻回になることが多いのでその受診回数も多く、一日の外来はまるで小児科ではないかと思われるほどです。その受診理由の多くは、長引いた鼻水や鼻づまりで、事前に小児科や内科で風邪の治療を受けています。年々、鼻の症状が長引く例が低年齢化し(保育園の影響もあるのか)、中耳炎の合併も多く見られます。年長児では鼻づまりで集中力に欠けたり、咳が長引いたりすること(鼻水が表には出ず、喉に流れて反射的に痰がらみの咳をする)で蓄膿症が見つかります。

蓄膿症はアレルギー疾患も影響していると言われています。実際、当院で小児科や内科で治療を受けているが2週間以上鼻水が長引いている小児100人を調べたところ、69人にアレルギー性鼻炎がありました。鼻炎という素質を持った子供が鼻水を長引かせ、蓄膿症にも移行しやすいと言えます。しかも小児科・内科での治療で抗生剤を使用しているにも関わらず改善しないということは、抗生剤の効きにくい耐性菌の存在も関与していると言えます。

子供の治療は内服治療、鼻の洗浄・吸引、ネブライザー療法が主体となります。内服では抗生剤の服用も必要ですが、耐性菌が増加している昨今、その種類にも注意が必要です。鼻水が治らないからとあちこちの小児科を渡り歩いてしまうと結局同じ種類の抗生剤を長く飲んでしまい、耐性菌を作ってしまうことになります。どんなお薬をどれくらい内服していたか問診で伝えることが大切です。またお薬だけに頼るのではなく、鼻水を吸引する、かませる、鼻を洗浄することも効果的です。鼻水が粘っこくて膿性であれば重層水を用いたり、水性であれば生理食塩水で洗浄すると症状が改善します。それでもなかなか改善しない場合にはお薬を少量で長期に服用する治療があります。クラリスロマイシンと言うお薬で、抗生剤としてだけでなく、鼻の粘膜の免疫機能を亢進させたり、炎症による粘液の排泄機能を高めたりします。これが蓄膿症の治療の中で使用される大きな理由でもあります。量を減らして処方するため長期に服用しても耐性菌をつくり難いと言われています。

子供の鼻水は日常的によく見られる症状ですが、今、耐性菌の存在やアレルギー体質の増加に伴って治りにくい例も増えています。気をつけなければならないのは、ペニシリン系やセフェム系抗生剤の使用を最小限にすること、そして鼻の洗浄や吸引、クラリスロマイシンや抗アレルギー剤を上手に使っていくことと言えるでしょう。また2歳以下の子供では、鼻水が2週間以上続くと中耳炎を合併する可能性があるので耳鼻科を受診する必要があります。また鼻水が3ヶ月以上も続く子供の場合、鼻炎やその延長にある蓄膿症の治療について耳鼻科できちんと相談することが大切です。

      

   鼻水・鼻づまりはちゃんと治療しましょう。

 


   
左副鼻腔炎 正常図